<三十二日坊主>銀英伝で一番泣いた回を思い出した。

ども。サソ男です。

1時間ぐらいで記事が書けることを目標に今日も頑張ります。

私は銀英伝(銀河英雄伝説、OVA版)が大好きです。

あれは当時20代いかないぐらいのときでした。

当時SF系アニオタ最前線(私は断然リアル系が好みです。)だった私は

『攻殻機動隊』、『マクロス』に続き、次なるSFアクション大作を求めて

TSUTAYAでビデオを物色していました。

実際、いつも目には入っていたんですよ。本作は。

でもパッとしないジャケット絵とダサい題名から

「ま、SF界のサザエさんみたいなやつなんだろうな(プッ」

としか思っておりませんでした。

なんて手に取ったかはもう忘れてしまいましたが、

それがある意味、転換期となりました。

静の美学

銀英伝のアニメスタイルは

既に起こった歴史

授業のよう

語り継ぐような手法をとっていました。

これが私にとっては衝撃でした。

私にとって高品質なアニメとは

どれだけ『動きが滑らか』で、『色彩が豊か』かでしたから。

(あ、ちなみに私的基準の一押しは

ガンダム0083、マクロスプラス、スペースダンディ、京騒戯画

です。もちろんAKIRAとかもですが、超有名ですからね。)

上記の基準に対して銀英伝は

  • 絵があまり動かない
  • キャラクターが古臭い
  • 色見も少ない

まぁこれまでの好みとは真逆ですよね。

でも、アニメの導入から「これはすごいかも・・・」

と思わせる描写が多かったんです。

それがこちら

  • SFを軸とした完全な大河ドラマ
  • キャラクターが多すぎるくせに個性がしっかりある
  • 声優が豪華すぎる上に言葉遣いが丁寧
  • 本編だけで110話もあるのに全く飽きない

キャラクターは動きませんが、口元が良く動くんです。

銀英伝を構成する要素の8割は声優さんの素晴らしさだと思います。

声優付きの登場人物は恐らく50人は超えます(ダブルキャストも少しはある)

膨大な数のキャラクターに個性を持たせつつ、

国政と合わせたストーリーも確実に前に進んでくる。

まさに大河ドラマですね。

とにかく、私のSFアニメ概念を良い意味でぶっ壊してくれたんです。

2年ぐらいは毎年の年末は「銀英伝 年越し一気見大会(個人)」をやりました。

評価点についてはもうちょっと深堀したいのですが、

伝えたいのはここじゃないのでこのへんで。

『絶対に負けない英雄』同士が戦うと?

銀英伝は自由主義陣営のヤンウェンリー、帝国主義のラインハルトの2人を中心として

時には直接闘い、時には各々の国難に立ち向かいます。

でもお互い、決して死なないんですよ。(頭が)強すぎて。

説明下手で申し訳ないのですが、

  • ヤンは勝算のない戦いはしない。(負ける戦はしない。不敗)
  • ラインハルトは天性の才で相手を圧倒します。(必ず勝つ。常勝)

2人が戦って、2人とも負けない。

矛盾しているようでちゃんと成り立つんですね。

だからある意味安心して見られるんです。視聴者側は。

銀英伝はそんな負けなしの2人の成長期なんです。

見ていて楽しいのですよ。

兵歴だけは長いがマニュアルだけを遵守した頭の固い老将軍達に対し、

柔軟な戦い方で圧倒的な実力差を見せつける若い将校。

それによって他の兵士もだんだんと2人を敬ってくる。

最初は数人の相棒しかおらず、上官にへーこらしていた彼らが

1隻の艦長、1個艦隊、1個師団、果ては旗艦から全軍を指揮するようになる。

フィクションとしてはベタですが、まさに大河ドラマって感じですよね!

でも規模が大きくなってくるにつれて、言いようのない不安感がつきまとうのです。

戦いに勝つということは負けた側の恨みを買うということ。

多くの人間からは英雄とされ敬われますが、少なからず敵が増えます。

銀英伝の世界にもいろいろな考えを持った人間がいます。集団がいます。

敵意を持つ者は別に相手陣営だけじゃないんですね。

そこが面白く、人間社会のリアリティのあるところで大好きなのです。

(まぁ原作者も実際の世界でこれまでに起こったことに影響されているでしょう。)

大団円ももうすぐか!?・・・・というところで

100話もある長大な物語なので、起承転結は都度都度にあります。

ですが全体としての起承転結ももちろんあります。

私が年甲斐もなく号泣したのは【転】にあたる部分でしょう。

大まかに説明すると

世界はラインハルトの帝国陣営に支配されてしまいました。

自由主義国は残念ながら、現代の民主主義国家同様に

政治が腐敗して英雄ヤン(個人の崇拝)を嫌ったのですね。

自由主義の帝国化を恐れた故に、自国の英雄を断罪し追いやりました。

それからすぐに帝国陣営に完敗し全域を支配されてしまいました。

でも『ヤン』自身は生きています。(本当は殺したかったが民意がさせなかった)

自由主義の生き残りとして、仲間と共に難攻不落の要塞に籠城していました。

なのでラインハルトは雌雄を決しに行きますが・・・・・

強すぎて倒せませーーーーーん!!!!!!(実力は全く衰えていない)

宿敵ヤンを真正面から戦って倒すことを生きがいとしていた彼にとっては

悔しくてたまりませんが、同時ヤンに能力も大いに買っていましたので、

帝国の帝王(カイザー)として、ヤンを認め直接会談する旨を伝えます。

ヤンは「戦争は終わったんだ」という気構えで1隻で会談に向かいます。

(仲間達は罠を警戒し必死に止めようとしますが、ヤンもまた

ラインハルトを信用していました)

お互いに長く戦いすぎました。

ラインハルトは病を患っており、戦果への焦りがありました。

同時にヤンも国家に流される我が身を憂いて疲れ果てていました。

この時代ではもう戦いを終わらせたかったんですよね。

んで、この戦いの中で明らかに不穏な空気が流れ始めます。

ヤン暗殺計画が実行されようとしていました。

第82話『魔術師、還らず』

暗殺を企んでいたのは帝国でも、自由主義同盟でもなく

地球教

というカルト宗教団体でした。

彼らは荒廃した地球に帰化することを目標としており、

世界の裏から利権や金を操り両陣営を共食いさせんとしていました。

(最終的には自分たちが支配者となるっていうよくあるやつ)

彼らにとって、両陣営の天才同士の和解は

何としてでも避けたかったのですよね

なのでヤンが一人になるタイミングを虎視眈々と狙っていました。

詳しいことは省きますが、

2重トラップをしかけ帝国に偽装した上で直接本人を攻撃しました。

このヤンのやられ方が。。。トラウマなんですよ。。。。

テロリストは決して軍の特殊部隊のような歴戦の勇士や精鋭ではないんです。

銃をもった狂信者です。とりあえず対象を見つけて、打つだけ。

仲間も奮闘し、ヤン自身も逃げますが、とうとう見つかってしまう。

でも廊下の先なんです。遠いんです。

そして撃たれます。当たります。太ももに一発。

これまでさんざん白兵戦を見せられている我々としては

「ふぅ、かすっただけか。よかったあああああ!!」

とガッツポーズするんですが、当のヤンは

「動脈を貫通したか・・・・」ととっさに悟るのです。

そして出血が酷くなってきます。出血は止まりません。

ヤンは

「おかしいな、血が出て身体が軽くなっているのになんでこんなに重いんだ」

と思います。(私、絶望)

とうとう壁に寄りかかって動けなくなります。血は止まりません。

ここでヤンは諦めるんですよね。家族に思いを馳せます。

そして。。。。。

誰にも看取られず。息を引き取ります。

(私、号泣)

そこに、息子に等しい弟子のユリアンと仲間が駆け付けます。

あとほんの少しだけ意識があれば言葉を交わせたのに・・・(私、超泣)

歴史とはかくあらずんば

なにが悲しいって。

たかが太ももに当たった一発が致命傷だったことです。

ヤンを撃った狂信者は当たったことを確認した後

「ヤンを〇したぞーーー!!!」と

生死の確認もせずにどっか行っちゃいます。

だから若干の希望ができてしまうんですよ、我々には。

だけどその思いもむなしくヤンは凶弾に倒れてしまう。

大袈裟ですが、『歴史』の真実を見ている気がしました。

どれだけの偉業をなし遂げても、終わりはあっさりかもしれない。

そしてなにより

味方が多い人には、悲しいかな敵も多いということです。

八方美人では世界は変えられないということなのかもしれません。

それを教えてもらったような気がします。

私としてはせめて、そういう事件を繰り返さないために

後世に語る必要があると感じています。

私は私利私欲のために生きていますが、

それゆえ多数社会では生きにくい時代もあったと記憶しています。

私はそう思ったとき無理に人に合わせず、自分を伸ばしました。

自分の興味を探求し、その興味に付随する技術を習得する。

そうすることで勉強への義務感や嫌悪感が無くなりました。

失敗が糧になる感覚を得られました。

私は銀英伝で一番好きなキャラクターは『ファーレンハイト』ですが。

彼は強力な敵を前に

「よろしい、本懐である」

と言い放った男前です。(ちなみにその後しんがりとなってやられます。)

私はそんなピンチのときに堂々と構えられる人間になりたいと思います。

何が起こるかわからない戦場と人生。最後に頼れるのは自分です。

健康な体と心、

そして心を許せる人(あんまいないけど)を大切にしたいですね。

ではまた明日。

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